株式会社オプテージ様 顧客管理・課金・請求ソリューション BSSsymphonyの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

顧客管理・課金・請求ソリューション BSSsymphonyの導入事例

株式会社オプテージ(旧 株式会社ケイ・オプティコム)様

MVNOへの新規参入にあたり「BSSsymphony」を活用して短期間で顧客管理システム構築を実現。 マルチキャリア化にも、速やかに対応。

株式会社ケイ・オプティコム(以下、ケイ・オプティコム)は、au回線(KDDI)を利用した初のMVNO事業者としてサービスを開始するにあたり、通信事業者向けパッケージ「BSSsymphony」を導入。
短期間でシステムを構築するとともに、約1年後、このシステムをベースにしたシステム開発で、NTTドコモ回線(NTTドコモ)を利用したプラン追加によるマルチキャリア化も実現しました。
※MVNO:Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)

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課題
導入後
MVNO事業者として新規参入する際に業界初のau回線利用という優位性を保つため早期のサービス開始が求められていた
MVNOの業務に適した機能をパッケージ化した「BSSsymphony」を活用して短期間でシステムを構築し計画どおりのサービス開始を実現
事業を立ち上げるには初期コストを抑えられるシステムと経験に基づく業務ノウハウが求められていた
CATV事業で稼働実績のあるパッケージ「BSSsymphony」で導入コストを抑え、経験豊富な開発メンバーという日立グループの総合力によって安定した導入・運用を実現
顧客獲得に向けて、新サービスの追加や料金の改定などを頻繁に行うためシステムにも柔軟な対応力が求められていた
マスタ設定による変更とカスタマイズに柔軟に対応できる「BSSsymphony」の採用により、サービスの追加・変更や今後の事業拡張への対応が容易に

導入の背景

業界初となるau回線を利用したMVNOとしてできるだけ早くサービスをスタートさせることが重要

豊村 氏経営本部 ITシステムグループ 顧客料金システムチーム
豊村 健 氏

関西一円に張りめぐらせた独自の光ファイバーを基盤にインターネット、電話、テレビ、コンテンツ配信といった総合情報通信事業を推進してきたケイ・オプティコムは、2014年6月、携帯電話サービス「mineo(マイネオ)」をスタート。
この新事業への参入が決定したのは、2013年4月頃でした。当時の状況と、「BSSsymphony」導入の背景について、ITシステムグループ顧客料金システムチームの豊村健氏にお聞きしました。

「当社がMVNO事業者として業界に参入することを決定してから、サービス開始予定日までは約1年。ベンダーを選定する期間などを除くと、システム開発にかけられる時間は実質半年ほどしかありませんでした。なぜそこまでスタートを急いだかというと、私たちが始めようとしていたau回線を利用するサービスが、MVNO業界初だったからです。
当時は、他社の格安スマートフォンによるサービスなども注目を集めていましたが、それらはNTTドコモの回線を利用するものでした。市場が成熟してしまう前に他社との差別化を図ることができるサービスを、少しでも早く開始させたいという思いがあったのです。
ただし、auの回線を利用するサービスが業界初であるということは、システムを構築するにも前例がないということです。 お客さまとサービスの接点となる業務部門においても、どのように業務を遂行していけばいいのか白紙の状態でした。このような状況と限られた時間の中で、サービス内容の検討とシステムの設計・構築を並行して進めていく必要がありました」(豊村氏)

選定までの経緯

「BSSsymphony」の活用による開発期間の短さと、豊富な業務知識に基づく具体的な提案が選定の決め手に

谷内 氏経営本部 ITシステムグループ 顧客料金システムチーム
谷内 勇介 氏

ベンダーの選定段階ではどのような点が重視されたのか、ITシステムグループ顧客料金システムチームの谷内勇介氏にお聞きしました。

「約1か月の選定期間に数社に声をかけさせていただき、比較・検討しました。 その際、一番の要件は、1年後にサービスを開始するという目標に間に合うよう短期間で開発できることでした。
そうなると、一般的にはパッケージを活用するのが有効ということになります。加えて私たちは、容易にスタートできることだけでなく、今後の幅広いサービス展開に柔軟に対応できる拡張性のあるシステムという点も重視していました」(谷内氏)

「パッケージを活用する提案は他社からもありましたが、選定の決め手は、一歩踏み込んだ自発的なご提案をいただけたことです。細かい要件を提示する前にどのような機能が必要で、どのようなシステムにしておけばいいかというようなご提案をいただけたことが大きなポイントでした」(豊村氏)

「こちらが出している同じ条件に対してどこまで具体的なご提案をいただけたかがポイントになりました。日立の提案内容からは、業務知識の豊富さや、いかにプロジェクトを成功させるかという考え方が伝わってきました。『BSSsymphony』の通信事業者向けの機能を活用することに加えた総合的な提案力が決め手になったのです」(谷内氏)

導入時の取り組み

社内システムとの調整、auとの連携を乗り越え、システムの構築はほぼスケジュールどおりに

鈴木 氏経営本部 ITシステムグループ 顧客料金システムチーム チームマネージャー
鈴木 明彦 氏

携帯電話サービス「mineo(マイネオ)」のサービスがスタートしたのは2014年6月。MVNOで初利用となるau回線との最終調整だけを残して、システムの設計と構築はほぼスケジュールどおりに進みました。

「システム開発で時間と労力を特に要したのは、光通信事業で利用している社内の顧客基幹システムとの連携部分でした。そのほかにも社内の各サービスで利用しているシステムとの連携や調整には手間がかかりました。それでも、システム自体の開発スケジュールが予定をオーバーすることはありませんでした。
また、auとは各種連携をオンラインで行うことになるので、双方で密に調整をしながら連携を組み立てました。当然auとのインターフェースを持つパッケージというのはありませんし、私たちもKDDIもお互いに前例のない作業の積み重ねだったという難しさはありました」(谷内氏)

「実はその当時、本システム構築と並行して顧客基幹システムもリプレースしていました。そのため、私はそちらの業務に専念しなければならず、谷内が一人で本システム構築を担当している時期もありました。短期間の開発が求められている中で人手が減り、負担が増大したとき、助けてくれたのは日立のメンバーでした。KDDIとの打ち合わせにも同席するなど、設計から実装まで一貫したサポートをしていただきました」(豊村氏)

導入後の効果

サービス内容の変更にも柔軟に対応、マルチキャリア化のための開発も期限内に無事完了

お客さまからの反響や「BSSsymphony」の運用に関する社内の評価にはどのようなものがあったのでしょう。

「au回線を利用する初のMVNOということもあり、サービス開始直後からお客さまの反響はありました。同時に業務部門からいろいろとリクエストが出てきましたが、それにも順次答えを出してくれました。サービス内容が追加・変更されるたびに、システムもネットワーク側との連携や調整を行っていますが、契約の部分や申し込みの仕組みなど、『BSSsymphony』の標準機能を使っている部分に関しては問題が起きることなく、稼働以来順調に運用できています」(豊村氏)

2015年9月にはNTTドコモ回線を利用するプランを追加し、ケイ・オプティコムは日本初※1の個人向けマルチキャリアMVNOとなりました。

「マルチキャリア化が決定したのは2014年末で、今回もシステムの開発期間は半年ほどしかありませんでした。そのため、課金の機能などは『BSSsymphony』の標準機能をそのまま使っていました。業務の流れも、できるだけ同じような仕組みを考えました。
一番大きな違いはキャリアとの接続部分で、すでに各社とMVNO契約を経験しているNTTドコモには決められた接続インターフェースがあり、それに合わせてシステムを開発する必要がありました。それでも、「BSSsymphony」を使うことで、マルチキャリアによるサービス開始に間に合わせることができました」(谷内氏)

※1 レイヤー2接続による個人向けのMVNOサービスにおいてケイ・オプティコム調べ。(2015年11月現在)

システム概要図

今後の展望

目標契約数はサービス開始から5年で100万件、業界のスピード感に応えるサポートを期待

今後の構想や「BSSsymphony」への要望を、ITシステムグループ顧客料金システムチームのチームマネージャーである鈴木明彦氏にお聞きしました。

「おかげさまで、2015年9月には『mineo(マイネオ)』の契約件数も10万件を突破し、年内には18万件を超えようとしています。サービス開始から5年で100万件という目標を掲げていますが、目標達成のための施策として、これまでWeb主体だった販売チャネルを拡大することなどを考えています。例えば、12月からグランフロント大阪にある自社店舗で直接申し込みできるようにしたほか、将来的には量販店でも申し込みができるようにするなどです。そのためにはシステムの拡張も必要になりますが、またいろいろとお願いできたらと思っています」(鈴木氏)

最後に、プロジェクト全般への感想をお聞きしました。

「『BSSsymphony』というパッケージが、私たちが始めようとしていた事業に適していたのはもちろんのこと、プロジェクト内の円滑なコミュニケーションが成功の大きな要因だったと思います。私たちシステム部門はもちろん、企画や業務部門の担当者も日立のプロジェクトメンバーの顔を覚えて、安心し相談できる関係を築けているので、サービス開始後も大いに助けられているというのが正直な気持ちです」(豊村氏)

「今後について一番期待しているは、この業界特有のスピード感への対応ですね。社内の体制もそれほど余裕があるわけではないので、多少無理なお願いをすることがあるかもしれませんが、これまで同様、引き続きカバーしていただけるとありがたいです。また、MVNOに関わる部分以外でも幅広い提案をしていただいているので、これからも期待しています」(鈴木氏)

株式会社オプテージ(旧 株式会社ケイ・オプティコム)

本社所在地 大阪市北区中之島3丁目3番23号 中之島ダイビル 株式会社オプテージ
設立 1988年4月
従業員数 1,298名(2015年4月1日現在)
事業内容 電気通信事業、有線一般放送事業、小売電気事業、電気通信および有線一般放送に関する機械器具および設備の設計・設置・販売・割賦販売・賃貸および保守・運用
URL https://optage.co.jp/

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本事例の内容は2016年1月12日公開当時のものです。

最終更新日:2016年1月12日