Go for SX 2023~DXの、さらにその先の未来へ~ 講演レポートPDF+アーカイブ動画を配信中

講演テーマ「建設現場効率化」

2023年10月12日(木)、13日(金)の2日間にわたって、株式会社日立ソリューションズ主催「Go for SX 2023~DXの、さらにその先の未来へ~」が開催されました。
10月13日(金)AMのテーマは「建設現場効率化への挑戦」。北米の研究機関・大学・スタートアップ企業などとオープンイノベーションの手法を活用して、飛躍的に生産性を向上させる次世代生産システムの構築に取り組む大林組の事例、ICTの導入による作業効率改善、労働安全衛生向上の日立ソリューションズの事例が紹介されました。
基調講演は、建設ITジャーナリストの家入龍太氏による「2024年以降の建設業はどう変わるのか?~ロボット、AIとの協働で見えてきた現場の働き方改革~」です。少子高齢化に起因する建設業の人手不足とともに、残業規制が厳格化される「2024年問題」という2つを背景に、建設業全体で進みつつある「建設DX」による生産性向上や働き方改革について話しました。建設業にとって欠かせない建設DXとして、「施工管理の遠隔化」「現場のデジタルツイン化」「IT機器で人間の能力を“超人化”する方法」「ロボットと協働」などを紹介。これまでの「カイゼン」という領域を脱し、「建設DX」へとシフトしていくことを提起しました。

DAY2

オープンイノベーションのその後と
建設業界への展開

本セッションでは、大林組の山下大夢氏が同社のオープンイノベーションの取り組みを紹介しました。大林組は2017年、建設業の生産性や品質の向上をめざし、アメリカのシリコンバレーにオープンイノベーション拠点として「Obayashi SVVL」を設立。スタートアップや研究機関との共同開発や投資を通じて、建設業に向けた革新的なデジタル技術の適用を促すほか、日本市場における製品・サービスの販売・普及も支援しています。インターネットによって多くの産業が生産性を向上させた中で、建設業はその恩恵に与ることができませんでした。その背景を踏まえつつ、業界の課題を解決するプロジェクトが「Obayashi SVVL」から生まれています。
日立ソリューションズの「StructionSite」は、スマートフォンで撮影した写真を、その位置情報を利用して図面とひもづけるシステムで、大林組全社で導入されています。そのほか、重機の自立化や建築設計の支援、品質検査の自動化、自律走行する無人搬送車、ソリューションを組み合わせて提供する新会社など、「Obayashi SVVL」発信のプロジェクトが数多くあります。
建築業には時間外労働時間の上限や、安全・品質管理面、規模による課題感の違いなどによって、破壊的なイノベーションが起こりづらい環境でした。しかし、現場でのスマートフォンやタブレットの普及により、クラウドサービスやチャットの活用も進み始めています。今がまさに日本の建設業界にイノベーションを起こすべきタイミングだと山下氏は強調しました。

山下 大夢氏

山下 大夢氏

株式会社大林組
ビジネスイノベーション推進室

DAY2

協創で建設業界の未来を切り拓く 建設DXを加速するICTの成功事例

建設業界は人手不足や長時間労働などの問題を抱えており、ICT技術を活用する建設テックによって建設DXを推進させ、建設業界の持続的発展を実現させる必要に迫られています。日立ソリューションズでは、異業種との協創と、海外建設テックの活用という2種類の取り組みによって、建設DXを推進しています。
協創の事例としては、タブレットとデプスカメラによる自動検測システムをクラウド帳票生成サービスと連携。それまで目視で行っていた作業が3分の1に短縮されました。また、安全帯フックの不使用者を検出するサービスを、画像AIを使って実現。これらのシステムは、作業時間の短縮や労災の減少に大きく貢献しています。一方、海外建設テックの活用については、360度カメラの画像を図面上で手軽に管理・共有できる「StructionSite」や、ドローン撮影による3D化で現場の進捗管理や土量計算などを大幅に効率化する「DatuBIM」を実現。リモートで施工管理が可能になり、時間と移動のコストを削減するなどの効果をもたらしています。また、分散している社内データやレガシーシステムを低コスト・短期間で連携する「Workato」を導入。さらに、大林組とオプライゾンという会社を設立し、海外先端技術の取り組みをより一層強化しています。

齋藤 卓磨

齋藤 卓磨

株式会社日立ソリューションズ
サステナブルシティビジネス事業部
スマート社会ソリューション本部
フィールドソリューション部
プロモーショングループ
グループマネージャ

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