Go for SX 2023~DXの、さらにその先の未来へ~ 講演レポートPDF+アーカイブ動画を配信中

講演テーマ「脱炭素社会へ」

2023年10月12日(木)、13日(金)の2日間にわたって、株式会社日立ソリューションズ主催「Go for SX 2023~DXの、さらにその先の未来へ~」が開催されました。
10月12日(木)PMのテーマは「脱炭素社会への具体的な道筋」。日立ソリューションズはカーボンニュートラルに関わる企業の取り組みを多彩なソリューション提供で進化させ続けています。脱炭素時代のサプライチェーンをどう構築すべきか、その取り組みについて、事例を交えて紹介しました。SX視点からの課題解決、サプライチェーン人材育成研修、ESG経営の実現、モビリティ業界での脱炭素社会に向けた開発効率化への取り組みなど、講演内容は多岐にわたりました。
基調講演は、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の平井淳生氏と日立ソリューションズの福田真人による「デジタルを活用した脱炭素化への新たなアプローチ~Green x Digitalコンソーシアムの新たな取り組み~」です。脱炭素化に向けた企業の努力を適切に評価するには、関連するデータの収集・分析・評価や企業間でのデータ連携・活用の各工程でデジタル技術を活用することが不可欠です。平井氏は、サプライチェーンCO2排出量可視化のための技術実証や国際イニシアチブとの関係構築など、Green x Digitalコンソーシアムによる取り組みを紹介しました。福田は、CO2排出量の算定方法論やデータ連携の技術仕様について、国内各企業が詳細に規定されていない実情をふまえて、それらの課題解決に向けた実証実験の取り組みを紹介しました。

DAY1

脱炭素時代のサプライチェーン 企業に迫られる課題と対策

CO2排出量の削減が喫緊の経営課題となる製造業では、企業の情報開示とともに、バイヤー企業とサプライヤー企業による企業横断の脱炭素バリューチェーンの取り組みが必要になります。その取り組みを支援するのが「サプライチェーン脱炭素ソリューション」です。「企業・組織のCO2排出量の収集・可視化」「製品あたりのCO2排出量の計算・可視化」、「サプライヤーのCO2排出量の測定・管理・削減」「長期・短期ベースでの将来のCO2排出量の予測」「企業としての持続的な削減への取り組み」といった5つの課題を定義し、それぞれの課題解決策を提示しています。
例えば、製品あたりのCO2排出量の計算・可視化の課題解決策として、環境先進国であるドイツMakersite社の「AI活用 LCA脱炭素プラットフォーム Makersite」を提供。ERPやPLMからBOM情報を登録して自動的にLCAモデルを生成し、CO2排出量を計算することで製品あたりの環境影響評価を支援します。こうした製品・サービスを通じて、日立ソリューションズでは、顧客のSXを支援する企業として顧客の課題に寄り添い、最適な解決策の提供をめざしています。

小沢 康弘

小沢 康弘

株式会社日立ソリューションズ
産業イノベーション事業部 サプライチェーン本部 第3部
部長 サプライチェーンDXエバンジェリスト

DAY1

脱炭素時代におけるサプライチェーンの課題・解決に向けた人材育成 環境と収益のトレードオフの解消・両立へ向けて

グローバル化や気候変動など社会環境の変化とともに、SCMに必要な知識の範囲が広がり、複雑化しています。その一方、日本ではSCM教育の機会が限られ、学習は現場任せになる企業も少なくありません。こうしたSCM教育に関わる企業の課題を解決するのが、日立ソリューションズ東日本が提供する「SCM教育サービス」です。座学と経験学習による定着率の向上を図り、世界標準の知見をもとにしたサプライチェーンとそのマネジメント手法を理解。実務に生かせる知見の定着と実践力の向上を実現し、サプライチェーン人材の育成・開発を支援します。
本セッションでは、同サービスのユーザーである総合物流会社のロジスティードが物流を取り巻く環境(顧客・サービス、社会・経営、テクノロジー・デジタル)の変化への対応や、オペレーションを標準化したシェアリングプラットフォーム、CO2排出量の可視化などによるカーボンニュートラルへの取り組みを説明。命題となるSXに対応するには人材育成が重要になり、サプライチェーン全体を俯瞰し、サステナビリティ、最先端のSCM研究、知見の習得をめざしたSCM教育による人材育成と成果を話しました。

小林 岳人氏

小林 岳人氏

ロジスティード株式会社
営業統括本部
営業開発本部
協創企画部
部長補佐

丹治 秀明

丹治 秀明​

株式会社日立ソリューションズ東日本
マーケティング・コミュニケーション本部
プリセールス・パートナービジネス部
SCMコンサルティンググループ
部長代理

DAY1

ESG経営に向けた各社の取り組み 企業がSDGsやESG対応を検討する理由とメリット

ESG経営の取り組みを考慮して投資家が投資判断するようになる中、企業は高い評価と信頼性、ブランド力を得るためESGへの取り組みを強化しています。企業のESG経営を評価するため、EUや米国の情報開示規則に続き、日本も有価証券報告書にサステナビリティ情報の開示を求めるなど、ESG情報開示に関する義務化と標準化が進んでいます。
その一方、ESG情報開示の実態調査によれば、ESG情報の開示業務において、戦略策定とデータ収集・管理に課題を感じる企業は少なくありません。こうした状況の中、日立ソリューションズでは戦略策定を支援するコンサルティングサービスと、「環境」「社会」「ガバナンス」の分野におけるデータ収集・管理などで、企業のESGへの取り組みをサポートするソリューションを提供しています。
ESG情報の収集と開示については、統合レポーティングプラットフォーム「Workiva」を活用し、データ収集・管理の課題や、レポートの作成・管理プロセスの効率化、情報の正確性・一元性・監査性向上を実現した具体的な事例を紹介しました。

中川 克幸

中川 克幸

株式会社日立ソリューションズ
スマートライフソリューション事業部
スマートワークソリューション本部
BCマーケティング推進部
部長

DAY1

車載ソフトウェア開発でのDX For SXとは 脱炭素社会に向けたソフトウェア開発効率化への取り組み

車載ソフトウェア開発は、ダイムラーが2016年のパリモーターショーで提唱したCASE(Connected/Autonomous/Shared & Service/Electric)や、次世代の移動概念であるMaaS(Mobility as a Service)に基づき、クルマの性能を決定づけるソフトウェアの進化に対応する必要があります。そのためには、ECUの統合やハードウェアの仮想化、ソフトウェアの更新などにより、クルマをソフトウェア化するSDV(Software Defined Vehicle)の実現が求められます。
また、脱炭素社会に向けた効率化の中で、車載ソフトウェアはクラウドネイティブ開発をめざすことになります。その道筋として、現状のInCarにおけるソフトウェア開発を、モデルベース開発(MBD)やシミュレーション環境の構築、テストの自動化やCI/CD環境の導入などにより、クラウドネイティブへステップアップさせることが不可欠です。特に、MBDは、そのままPC上で動作させられることから、動く設計書となります。開発で発生しがちな仕様のあいまいさや齟齬をなくすことが可能になります。さらに、テスト工程を前倒しできるので、手戻りの防止にもつながります。これらは、脱炭素化や持続可能性をめざすSX(サステナビリティトランスフォーメーション)の一環として、2030年に向けてさらに加速していくと予想されます。

下澤 昌史

下澤 昌史

株式会社日立ソリューションズ
サステナブルシティビジネス事業部
モビリティソリューション本部
エバンジェリスト

齋藤 信

齋藤 信

株式会社日立ソリューションズ
サステナブルシティビジネス事業部
モビリティソリューション本部
オートモティブソリューション部
主任技師

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