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SAP BusinessObjects導入サービスの導入事例

グローブライド株式会社(旧 ダイワ精工株式会社)様

季刊誌プロワイズ Vol.12掲載
Interviewee :
Daiwa Corporation Eastern Operations Vice President 浅石 誠 様
ダイワ精工株式会社 情報システム部 システム開発課 係長 塩田 光浩 様

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アメリカ東海岸の拠点開設を機に販売管理システム「ADAMS」を導入
現地スタッフのマインドも変えた

 ダイワ精工株式会社は、世界トップシェアの釣り具メーカーとして知られています。世界各地に、製造と販売の拠点を擁していますが、1966年、アメリカに子会社Daiwa Corporationを設立しました。ここは、海外重要拠点の先駆け的存在であるがゆえ、経年につれシステムに対するニーズも多様化し、近年では基幹システムの在庫・販売レポート等にも改善要求が発生していました。こうした課題を解決するために、日立システムがパートナーとなり、構築したのが販売管理システム「ADAMS」です。システムの概要と新システム導入による効果についてお話を伺いました。

20年来の歴史ある基幹システムならではの課題解決に着手

 1958年に、釣り具のリールメーカーとして出発したダイワ精工株式会社は、2008年10月に創立50周年を迎えます。現在は、主力であるフィッシング事業に加え、ゴルフ、テニス、サイクルスポーツ、スポーツアパレルなどの事業にも進出しています。
 また1966年に、釣用品、スポーツ用品の販売を行う子会社「Daiwa Corporation」をアメリカに設立したのを皮切りに、海外にも積極的に進出。現在では、生産や販売の拠点が、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリア、タイ、香港、中国、韓国、ベトナムなど、世界各地に設けられています。

 今回ご紹介するのは、Daiwa Corporationに導入された販売管理システム「ADAMS(アダムス)」です。これは「America Daiwa Advanced Management System」の略で、「アメリカではシステムにネーミングをする」という日立システム側の発案に対してさまざまな案が寄せられた結果、採用されたものです。今回構築された「ADAMS」は、呼びやすさも後押しして、既に関係者の間で認知されたシステムとなっています。

 Daiwa Corporationでは、20年ほど前からIBM社のオフィスコンピュータAS400を使った「基幹システム」が稼働しており、今日でも使われています。Daiwa Corporationの副社長、浅石誠氏は「基幹システムの経年やユーザの交代などに伴い、ニーズも多様化してきました。たとえば、ある製品の生産・販売・在庫状況を調べるには、複数のレポートを出力し、更に画面情報を見ながら、表計算ソフトに入力する、などの煩雑な作業が必要でした。基幹システムで集計して出力することも不可能ではないのですが、その場合は専門知識のある業務委託担当者に頼んで、特別にクエリ(処理要求)を組んでもらう必要があったのです。Daiwa Corporationの本社は、西海岸のロサンゼルスにあるのですが、2006年秋、東海岸ノースカロライナ州のシャーロットに、第二の拠点が開設されることになりました。そこで、その機会に、一つのレポートを見るだけで、必要な情報が得られる環境にできないかと、私の前任者が日本の本社に相談したわけです」と、開発の背景を語ります。

短期間で構築した日立システムの総合力を評価

 システム構築に際し、開発は基本的にダイワ精工側で行い、完成後にアメリカに納入する手順で進められました。開発作業を担ったのは、日立システムのビジネスコンサルティング部です。ダイワ精工の情報システム部 システム開発課 係長の塩田光浩氏は、「検討段階では複数の候補がありましたが、その中で提案内容や予算、納期などが、総合的にフィットしたのが日立システムさんでした」と、選定の理由を語ります。さらに塩田氏は、「今回、システムを使うのはアメリカですから、英語に堪能な技術者の方が、現地に同行していただけるとありがたいと思っていました。担当していただいた日立システムさんのプロジェクトリーダーが、アメリカ赴任から帰国したばかりで英語でのコミュニケーションに困らないというのも、ベストタイミングでした」と、続けました。

 今回の販売管理システム「ADAMS」は、「Business Objects」を使用して構築されたもので、既存のシステムには手を付けずに、目的を達成する即効的な手法が採用されました。つまり、AS400から必要なデータだけを加工して夜間に「ADAMS」へ取り込み、レポートに展開したのです。
 「ADAMS」のPCサーバDWHには5年分のデータが蓄積されており、「Business Objects」 を利用して分析します。経営層や担当者は、自分の端末で、最新のデータが加えられた16種類のレポートを閲覧できるだけでなく、さまざまな条件を入力して、独自のレポートを作成することが可能になりました。「自分の欲しい資料を1つのレポートで見る環境」が実現したのです。

 また塩田氏は、「この仕組みには副産物があった」と語ります。「『ADAMS』から仕様どおりのデータが出てこない場合、上流であるAS400にさかのぼって、データの修正を行うなどのクレンジングができました」。

 「ADAMS」は、2007年8月に実施されたアメリカでのヒヤリングを基に設計され、作業の進捗レビューを9月から12月にかけて週に一度ダイワ精工で行い、双方の課題を解決していくという手法で進められました。確認作業には、アメリカ現地のIT担当者とのコミュニケーションも必要でしたが、英語に堪能な技術者が担当したため、全く問題なく進行しました。「実際、2007年12月に完成したシステムをアメリカに持っていき、インストールしたわけですが、その作業は予想をはるかに超え、順調に進みました。今回、短期間で構築を終えて運用に入ることができたことを含め、総合的に高く評価しています」と塩田氏は語ります。

Business Objectsの概要

スタッフの意識を変えた新システムの機能

 それでは、新システムを利用するアメリカの現地スタッフの反響はどうだったのでしょうか。浅石氏は、「アメリカの東西の両拠点で関係者向けの講習会を開催したのですが、彼らにはものすごくインパクトがあったようです。現地スタッフは、目の色を変えて、私を質問攻めにしましたから」と語ります。実はそれまで、社長などの幹部が、現地の営業マネジャーに個別口座の売上状況を質問しても「資料がタイムリーでないから分からない」と、ドライな対応が返ってくるだけだったとのこと。ところが、「ADAMS」を使えば分かるとなれば、彼らも変わり、答えようと行動します。浅石氏は「操作に慣れれば、自分で条件を絞り込んで、情報のドリルダウン(データの集計レベルの段階を下げて分析する手法)が可能になった。新システムではそれぞれ必要な情報を取り出せるようになり、スタッフは積極的に新システムを活用している。現地スタッフのメンタル面と行動面の両方で、相当な効果が出ている」と語ります。

 現在、発注業務をより効率的に行うための工場別の分析や、予算実績を把握するために、第二期の開発が日立システムにより行われています。浅石氏は、「アメリカの現地スタッフに、システムの進化を見せれば、必然的にさらなる要望が出てくると思っています。今後のシステムの発展と現地スタッフにもたらす効果に期待しています」と語ります。
 今後の「ADAMS」の進化に、日米ダイワの期待が集まっています。

グローブライド株式会社(旧 ダイワ精工株式会社)

本社所在地 東京都東久留米市前沢3-14-16 ダイワ精工株式会社
事業内容 スポーツ用品関連事業
従業員数 連結:3,301名(平成20年3月31日現在)
URL http://www.globeride.co.jp/

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本事例の内容は2009年6月23日公開当時のものです。

最終更新日:2009年6月23日