株式会社ネクスウェイ様 顧客管理・課金・請求ソリューション BSSsymphonyの導入事例やシステム構築例を紹介|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズにお問い合わせください。

顧客管理・課金・請求ソリューション BSSsymphonyの導入事例

株式会社ネクスウェイ様

B2Bの複雑な課金システムへ柔軟に対応。
運用作業削減と利用部門からのリクエストへのスムーズな対応を可能に

約9,000社にFAX一斉同報などのサービスを提供している株式会社ネクスウェイ。そのための課金システムとして同社が選んだのは、「BSSsymphony」をクラウド上で稼働させる形態でした。B2B特有の複雑な課金処理に対応し、運用管理作業の削減と新商品・サービスの追加、利用部門からのリクエストや環境変化へのスムーズな対応が可能になりました。

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課題
導入後
データが複数クラウドに分散配置されていて、システム変更の対応にコストと時間がかかっていた
データを一本化したことで、運用コストと作業時間を削減
課金・請求業務が複雑であり、イレギュラー作業の発生が多く、システム運用作業に時間を要していた
運用項目を見直し、あるべき手順を整理・簡素化することで運用管理作業を1/4に削減
機能の追加・変更を繰り返した結果、“巨大なスパゲッティ状態”のシステムが長年運用され、利用部門からの新規リクエストを受けるには限界がきていた
変則的な方法で設定していた小数点単価設定や、新たな機能の短期実装を可能にし、ビジネスのスピードを向上

従来からの課題

複数のクラウドにまたがるシステム、運用の作業時間削減が課題

森田 氏共通基盤センター グループマネジャー
森田 記和 氏

「当社は、以前から社内管理システムのほとんどをクラウドに移行していました。課金システムはフルスクラッチで開発したシステムを使っていたのですが、オンプレミスのサーバーがサポート切れになったタイミングで、そのシステムをクラウドに載せ替えました」(森田氏)

FAX一斉同報などの情報通信サービスを企業向けに提供するネクスウェイにとって、重要な業務システムの1つとなるのが、9,000社を超える顧客企業に毎月の利用料金を請求する課金システムです。長い歴史を持つFAXだけでなく、メール配信やダイレクトメール送付など多様なサービスの請求を一元的に管理していることから、課金システムはかなり複雑な仕組みになっていました。

「課金体系には、割引パターンが特殊であったり、距離や曜日によって単価や計算法が異なったりと、計算ロジックは非常に複雑です。そのため、クラウドに載せ替える際に、バックエンドのデータベースやバッチ処理については、ほぼそのまま移行しました」(森田氏)

こうしてクラウド化された課金システムを稼働させて、約2年。使い込むにつれて、多くの課題も見えてきました。

「最大の課題は、運用管理に多くの作業を必要とすることと、業務課題への対応に時間がかかることの2点でした」(森田氏)

その根本的な原因は、1つの課金システムのデータなのに、画面回りのフロント部分とデータ処理のバッチ部分を分けて2つのクラウド基盤に置いたことにありました。データ同期やバックアップなど、既存機能のメンテナンスや新機能の追加をする際は、その都度双方の影響範囲を考慮し、必要に応じて両方のクラウド基盤やデータに対して変更を加える必要があったのです。

導入の経緯

ソフトウェアのカスタマイズとツールの拡張でB2B特有の複雑なニーズに対応

このような背景から、ネクスウェイは課金システムを全面的に組み替えることを2015年秋に決断しました。「市販の課金ソフトウェアパッケージ製品をベースにして、小数点以下の桁がある単価への対応などを含み、フロントとデータベース・バッチの両方の部分を単一のパブリッククラウド上で稼働させる業務システム」という提案要請(RFP)に対し、SIerやITベンダーなど5社から提案がありました。

「ソフトウェアパッケージということで、カスタマイズ部分を最小限に絞った会社もありましたし、その逆に、カスタマイズ部分がほとんどでソフトウェアパッケージの機能はコア部分のみという提案もありました。そうした中で、日立ソリューションズの顧客管理・課金・請求ソリューション『BSSsymphony』とラピッドアプリケーション開発(RAD)ツール、データ連携用のETLツールを組み合わせた提案は、構築して終わりではなく、その後の運用のことも考慮した、こちらが求めていたものでした」(森田氏)

「BSSsymphony」は個人客向け(B2C)の課金システムで多くの実績を持つソフトウェアパッケージですが、開発・販売元の日立ソリューションズでは法人客向け(B2B)の機能拡張も行っていました。

「今後のネクスウェイのビジネス展開に追随できるRADツールの拡張性と、請求というミスの許されない仕組みであるべきパッケージの信頼性とのバランスの良さ、これならうまくいきそうだ、と直感しました」(森田氏)

導入時の取り組み

要件定義とともにビジネスロジックを明確化

ネクスウェイは2015年11月に「BSSsymphony」をベースとする提案を採用しました。日立ソリューションズは、ソフトウェアパッケージの開発元という立場でネクスウェイの課金システム組み替えプロジェクトに参画。早速、ネクスウェイを含めたプロジェクトチームが編成され、要件定義に始まるシステム開発作業がスタートしました。

「最も大変だったのは、当社内でもブラックボックスになっていたビジネスロジックをひも解いていくことでした。それまで使っていたシステムでは、信頼性が不十分だったため多くのチェック作業がありました。それを、定例の“運用対応”にしているケースが多かったのです。その多くをシステム化・自動化した結果、RADツールやETLツールで開発するカスタムコードの本数を増やすといった予想外の作業も発生してしまいました」(森田氏)

2016年3月までの約4カ月間、しっかりと要件定義を行ったことで、ブラックボックスになっていたビジネスロジックが明確になっていきました。基本設計フェーズは同年6月に始まり、12月までの約7カ月をかけて詳細設計、コーディング、単体テスト、内部結合テストとシステム開発のプロセスを進めていきました。その後、2017年1月~2月に結合テストを実施。続けて、新旧両方の課金システムを並行稼働させての計算結果の確認作業を同年3月~6月までの期間で行いました。

「並行稼働での確認は、実際のものと全く同じ内容、同じ件数のデータを新たな課金システムに流し込み、出力される請求データおよび請求書・明細書などを従来の課金システムのものと比較することによって行いました。拡張機能を追加したにもかかわらず『BSSsymphony』にはバグも計算結果の不具合も少なく、安心して7月の本番移行を決断しました」(森田氏)

導入の効果

運用管理作業を約1/4に削減、環境やビジネスの変化にも素早く対応

新しい課金システムへの切り替えが行われたのは、2017年7月の中旬。7月末締めデータに基づく請求書を作成する月末処理から、画面回りのフロント部分とデータ処理のバッチ部分の両方が同じパブリッククラウド(Amazon Web Services)の上で稼働するようになりました。

「まず評価しているのは、当社からの要求事項が途中で増えたにもかかわらず、ほぼ予定通りのスケジュールで本稼働にこぎ着けられたこと。利用部門からは変則的な設定をしなくても申し込み通りの課金計算ができるようになったという評価が寄せられています。これから使い続けていくにつれて、運用管理の作業も削減できることでしょう。従来はシステムの中身がブラックボックスだったので、無駄な作業もあったかと思います。新システムではビジネスロジックに対応した真に必要な作業だけに絞られています。試算では、運用管理の作業が従来の約1/4になるという結果が出ています」(森田氏)

また、コア部分のソフトウェアパッケージは変更せず、RADツールとETLツールで入出力をつかさどる新しい課金システムでは、機能の追加や拡張も比較的容易です。新たなる要望への対応スピードもそれだけ速くなるはず、とネクスウェイは期待しています。

「新機能として、新しいサービスが登場したときは、その処理を行っているサービスのログデータを汎用的に設けたフォーマットに合わせ、自動で取り込むことで、計算処理を行えるようになります。新サービスを提供したときに、手作業で計算して手動登録した結果、間違った請求をしてしまうリスクも低減するはずです」(森田氏)

今後の展望

請求処理の日数を短縮し顧客向けポータルも提供予定

運用管理作業の削減と利用部門からのリクエストへの早期対応が現実のものとなったことを受けて、ネクスウェイは課金システムのさらなる拡張を計画しています。その一つが、業務フローの見直しによるお客さま満足度の向上です。

「今回の課金システムの刷新はプロジェクトとして品質・コスト・納期のすべての面でおおむね100%の評価をしています。ただ、システムはスリムになったものの、システム利用者である経理担当者の業務フローを大きく変えるには至りませんでした。お客さま目線で契約から請求までのフローを今一度見直し、どんなバックオフィスシステムであればお客さまがより満足していただけるのかをもっと検討していきたいと思います。例えば紙の申込書をWEBでも受付可能にする、利用している料金がリアルタイムで参照できるなど、人が行う作業をもっとシステムに寄せ、バックオフィス業務そのものの軽減を期待しています」(森田氏)

日立ソリューションズは、今後も、これまでの通信事業者だけではなく、産業・流通など、サービスビジネスを拡大する企業に向けて「BSSsymphony」を提供していきます。

株式会社ネクスウェイ

ネクスウェイはFAX通信サービスに加え、メール送信・ダイレクトメール・インサイドセールスといった多様な手段を取り入れ、企業の「販売促進」・「営業代行」・「顧客育成」を目的とした企業ニーズにも対応し、相手にきちんと「伝わる」、そして相手を「動かす」ところまでを視野にサービスを提供しています。

本社所在地 東京都港区虎ノ門4-3-13 ヒューリック神谷町ビル M株式会社ネクスウェイ
設立 2004年10月1日
従業員数 144人(2017年10月時点)
事業内容 情報通信提供サービス事業。FAX一斉同報サービスを核とするNEXLINKのほか、メール送信、ダイレクトメール、インサイドセールスなどのマーケティング支援サービスを会員企業に提供。
URL https://www.nexway.co.jp/

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本事例の内容は2017年10月19日公開当時のものです。

最終更新日:2022年1月17日